化粧品OEMのベンチマークとは、開発したい商品の基準となる市販品や既存商品です。参考商品の使用感、香り、成分、容器などをOEMメーカーと共有すると、完成イメージを具体的に伝えられます。
ただし、ベンチマークは商品をそのまま複製するためのものではありません。気に入っている部分と変更したい部分を整理し、ブランド独自の処方やデザインへ発展させることが大切です。
本記事では、ベンチマーク商品の選び方から、工場へ渡す写真や資料、試作の進め方、容器・ロット・価格との関係まで実務視点で解説します。
化粧品OEMのベンチマークとは
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- ベンチマーク商品は開発の基準となる参考商品
- ベンチマークとコピー商品の違い
- ベンチマークを用意すると試作が進みやすい理由
化粧品OEMにおけるベンチマークは、理想の商品を具体化するための基準です。実物を共有することで、言葉だけでは伝えにくい感触や香り、容器の使いやすさまで確認できます。
ベンチマーク商品は開発の基準となる参考商品
ベンチマーク商品とは、作りたい化粧品の方向性をOEMメーカーへ伝えるための参考商品です。美容液であれば、とろみ、肌へのなじみ方、塗布後の感触、香りなどを確認する基準になります。
たとえば「軽い美容液を作りたい」という説明だけでは、依頼者と開発担当者が想像する軽さが同じとは限りません。参考商品を提示して「この商品と同程度の粘度にしたい」と伝えることで、目標が明確になります。
商品全体を一つの基準にする必要はありません。中身、容器、デザインなど、参考にしたい部分を分けて選ぶ方法も有効です。
ベンチマークとコピー商品の違い
ベンチマークを使う目的は、他社商品をそのままコピーすることではありません。既存商品の優れた部分を分析し、自社ブランドの商品設計に生かすことが目的です。
市販品の全成分表示を確認しても、各成分の正確な配合量、原料のグレード、製造工程までは分かりません。そのため、表示されている成分を並べるだけで、同一の処方や使用感を再現できるわけではありません。
「使用感は商品Aを参考にする」「香りは商品Bより弱くする」「独自の訴求成分を加える」というように、残す部分と変える部分を整理すると、オリジナル性を確保しやすくなります。
ベンチマークを用意すると試作が進みやすい理由
ベンチマークがあると、初回試作の方向性を定めやすくなります。開発担当者が目標とする粘度、色、香り、伸び、洗い上がりなどを実物で確認できるためです。
ベンチマークがない場合、「もう少ししっとり」「少し軽く」といった感覚的な修正が繰り返されやすくなります。試作回数が増えると、商品化までの期間が延び、追加の試作費が発生する場合もあります。
問い合わせ前に参考商品を準備し、評価する項目を決めておくことが、効率的な開発につながります。
化粧品OEM・ODMの開発について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。


化粧品OEMでベンチマーク商品が必要な理由
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 香りやテクスチャーを言葉だけで伝える難しさ
- 依頼者とOEMメーカーの認識のずれを減らせる
- 試作回数・開発期間・費用を抑えやすくなる
化粧品の使用感には、粘度や伸びだけでなく、塗布中の重さや塗布後の残り方も関係します。ベンチマークを使うと、感覚的な希望を開発条件へ置き換えやすくなります。
香りやテクスチャーを言葉だけで伝える難しさ
「さっぱり」「しっとり」「高級感のある香り」などの表現は、人によって受け取り方が異なります。同じ美容液でも、ある人は濃厚と感じ、別の人は適度な保湿感と評価することがあります。
香りについても、フローラル、柑橘系、ハーブ系という分類だけでは、香りの強さや残り方まで伝えられません。参考商品を提示して「香りの種類は近く、強さを半分程度にしたい」と伝えると、試作条件が具体的になります。
感覚的な要望には、比較対象と変更の方向を付け加えることが重要です。
依頼者とOEMメーカーの認識のずれを減らせる
試作が長引く原因の一つは、依頼者の完成イメージと、OEMメーカーが受け取った内容の違いです。要望書に「保湿力の高いクリーム」とだけ記載しても、油分の多い濃厚なクリームなのか、軽い感触でうるおいを保つ設計なのか判断できません。
ベンチマークを共有し、「伸びはこの商品に近く、塗布後のべたつきは減らしたい」と説明すれば、認識のずれを小さくできます。
さらに、ターゲット年齢、使用場面、販売価格も伝えることで、処方だけでなく容器や容量を含めた提案を受けやすくなります。
試作回数・開発期間・費用を抑えやすくなる
ベンチマークは、必ず試作回数や費用を減らせるものではありません。しかし、初期条件が明確になるため、方向性の違いによる作り直しを防ぎやすくなります。
試作費はOEMメーカーによって異なり、一定回数まで無料の場合もあれば、初回から有料の場合もあります。特別な原料や複数処方を同時に依頼すると、追加費用が必要になることもあります。
相談時には、試作費、無償修正の回数、1回の提出量、試作期間、製品化しない場合の費用を確認してください。


ベンチマーク商品の選び方
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 使用感・香り・仕上がりから選ぶ
- 成分・処方・訴求ポイントから選ぶ
- 容器・パッケージ・販売価格から選ぶ
- 複数の商品をベンチマークにする方法
ベンチマークは、単に人気商品から選ぶのではなく、自社商品のターゲットや価格帯に合うものを選びます。参考にする項目を分けると、OEMメーカーへ希望を伝えやすくなります。
使用感・香り・仕上がりから選ぶ
スキンケア化粧品では、毎日使い続けられる使用感が重要です。美容液なら、とろみ、伸び、なじむ速さ、べたつき、塗布後のしっとり感を確認します。洗顔料なら、泡立ち、泡切れ、洗い上がりが主な評価項目です。
香りについては、種類だけでなく強さと持続時間も確認してください。無香料を希望する場合も、原料由来のにおいが残る可能性があります。
ベンチマーク商品を実際に数日使用し、「何がよいのか」を項目別に記録すると、より正確な要望を伝えられます。
成分・処方・訴求ポイントから選ぶ
配合したい成分だけでベンチマークを選ぶのではなく、その成分をどのような商品価値につなげるかを考えます。たとえばユズ種子油を配合する場合、自然由来のブランドイメージを重視するのか、使用感や香りとの調和を優先するのかで処方設計が変わります。
また、全成分表示の上位にある成分が、必ずしも商品の特徴を決めているとは限りません。配合量が少ない成分でも、感触や香りに影響する場合があります。
訴求成分、使用感、ターゲットの三つを同時に確認することが大切です。
容器・パッケージ・販売価格から選ぶ
化粧品の価値は、中身だけで決まりません。容器の形、吐出量、持ちやすさ、開閉方法、化粧箱のデザインも購入時の印象や使用のしやすさに影響します。
ただし、高級な容器をベンチマークに選んでも、希望ロットや原価に合わなければ採用できません。特注容器は最低発注数が大きくなる傾向があり、小ロットではOEMメーカーの在庫容器から選ぶケースが一般的です。
想定販売価格から中身、容器、箱、充填、検査、物流に使える費用を逆算して選定します。
複数の商品をベンチマークにする方法
一つの商品ですべての希望を満たす必要はありません。複数の商品から参考にしたい要素を選ぶ方法があります。
たとえば「商品Aの軽いテクスチャー」「商品Bのポンプ容器」「商品Cの落ち着いた色調」を組み合わせます。この場合、どの商品を何の基準にするかを一覧にしてOEMメーカーへ渡してください。
要望が多すぎると優先順位が分からなくなるため、「必ず実現したい条件」「可能なら実現したい条件」「変更可能な条件」の三段階に分けると判断しやすくなります。


化粧品OEM会社へ渡すベンチマーク資料
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 本体・容器・箱・ラベルの写真を準備する
- 全成分表示と商品情報を共有する
- 気に入っている点と変更したい点を明確にする
- 希望ロット・販売価格・販売国も一緒に伝える
ベンチマークの実物を送れない場合でも、写真や商品情報を整理すれば相談できます。資料は、OEMメーカーが処方、容器、原価、規制の各条件を判断できる内容にします。
本体・容器・箱・ラベルの写真を準備する
写真は商品正面だけでなく、本体、容器、キャップ、ポンプ、底面、化粧箱、ラベル、裏面表示を撮影します。ネット上の商品ページを利用する場合は、画像だけでなく商品名と販売ページのURLも共有してください。
容器の形を参考にする場合は、内容量や吐出方法が分かる写真も必要です。二層式ミストなら、振った後の混ざり方や噴霧状態が分かる動画が役立つこともあります。
実物を送る場合は、開封済みか未開封か、使用期限や保管状態も伝えると確認が円滑です。
全成分表示と商品情報を共有する
全成分表示は、文字が読める解像度で撮影します。海外製品の場合は、外箱と本体の表示、INCI名、販売国の商品ページを可能な範囲で準備してください。
商品名、ブランド名、容量、販売価格、原産国、用途、使用方法なども重要な情報です。ただし、成分表示だけでは正確な配合比率や製造方法を判断できません。OEMメーカーは成分表を参考にしながら、希望する使用感や予算に合わせて処方を検討します。
情報が不足している場合は、分かる範囲と未確認部分を分けて伝えることが大切です。
気に入っている点と変更したい点を明確にする
ベンチマークを渡すだけでは、どこを参考にすべきか分かりません。「容器は好きだが香りは変えたい」「伸びはよいが塗布後の重さを減らしたい」など、評価を具体的に記載します。
一方、「全部よい」「これと同じもの」という依頼では、オリジナル商品の設計条件が定まりません。使用感、成分、香り、色、容器、価格を項目別に評価すると、変更点が明確になります。
可能であれば、5段階評価や「強くする・同程度・弱くする」といった共通基準を使うと、修正依頼にも利用できます。
希望ロット・販売価格・販売国も一緒に伝える
同じベンチマークを提示しても、100個と3,000個では選べる容器や製造方法が異なります。希望数量、想定販売価格、発売時期、販売チャネル、販売国を最初に伝えてください。
海外販売では、販売国によって配合成分、表示、必要書類の条件が変わります。日本国内向けに設計した処方を、そのまま海外で販売できるとは限りません。
開発条件を一枚の要望書にまとめると、OEMメーカーが対応可否や概算費用を判断しやすくなります。
ベンチマークの整理やOEM会社への伝え方に不安がある場合は、商品企画の段階から相談する方法もあります。


ベンチマーク商品を使った試作の進め方
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- ベンチマークをもとに処方の方向性を決める
- 試作品の香り・粘度・伸び・使用感を評価する
- 修正内容を具体的な言葉と数値で伝える
- 試作回数・費用・納期を事前に確認する
試作では、一度にすべての条件を変えないことが大切です。ベンチマークと比較しながら評価項目を統一すると、修正の理由と優先順位が明確になります。
ベンチマークをもとに処方の方向性を決める
最初に、剤形、使用部位、使用方法、ターゲット、訴求成分を決めます。そのうえで、ベンチマークのどの部分を処方へ反映するかをOEMメーカーと共有してください。
たとえば二層式ミストの場合、オイル層と水層の比率、振った後の分散状態、噴霧の細かさ、塗布後の油性感を確認します。ベンチマークが一層式であれば、見た目や使用方法が異なるため、そのままの再現は困難です。
処方の仕組みと希望する使用体験の両方を確認し、実現可能な方向へ調整します。
試作品の香り・粘度・伸び・使用感を評価する
試作品は、毎回同じ条件で評価します。使用量、使用部位、使用する順番、室温、評価時間が違うと、比較結果が変わりやすくなるためです。
美容液なら、容器から出した直後、肌に伸ばしたとき、塗布から数分後の感触を分けて記録します。香りも、容器を開けた瞬間、使用中、使用後で評価すると修正点が明確です。
複数人で評価する場合は、個人の感想だけでなく、共通して指摘された項目を優先すると判断しやすくなります。
修正内容を具体的な言葉と数値で伝える
「もっとよくしてください」という修正依頼では、開発担当者が変更すべき項目を特定できません。比較対象と修正の方向を明確に伝える必要があります。
たとえば「初回試作より粘度を少し下げる」「ベンチマークと同程度の伸びにする」「香りの強さを現在の半分程度にする」と記載します。数値化が難しい使用感は、5段階評価や順位で示す方法が有効です。
一度に相反する要望を出すと処方が不安定になる場合もあるため、変更の優先順位を付けて伝えてください。
試作回数・費用・納期を事前に確認する
試作条件はOEMメーカーごとに異なります。初回試作の費用、修正可能な回数、追加試作費、試作期間、安定性確認の期間を事前に確認します。
また、試作品と量産品は製造設備や製造量が異なります。小さなビーカーで問題がなくても、大きな製造釜では混合状態や粘度が変わる場合があります。そのため、処方決定後も量産適性や容器適合性の確認が必要です。
発売希望日から逆算し、試作と各種試験に十分な期間を確保してください。


ベンチマークと容器・ロット・価格設計の関係
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 内容物と容器の相性を確認する
- 小ロットでは選べる容器が限られる理由
- 販売価格から原価と仕様を逆算する
- 100個・500個・1,000個で変わる選択肢
ベンチマークの容器を気に入っても、内容物との相性、最低発注数、納期、予算によって採用できない場合があります。容器はデザインだけでなく、品質を守る資材として選定します。
内容物と容器の相性を確認する
化粧品容器は、中身を入れられれば何でもよいわけではありません。内容物の粘度、油分、アルコール濃度、pH、光や空気への影響を考慮する必要があります。
たとえば、粘度の高いクリームを細いポンプ容器へ入れると、十分に吐出できないことがあります。オイルを含む処方では、容器の樹脂やパッキンへの影響も確認が必要です。
ベンチマーク容器に近いデザインを希望する場合でも、実際の処方を使った容器適合性や漏れ、変色、吐出状態の確認を行います。
小ロットでは選べる容器が限られる理由
小ロット製造では、容器メーカーの最低発注数とOEMの製造ロットが一致しないことがあります。中身を100個作れても、希望容器の最低発注数が1,000本以上というケースがあります。
そのため、初回100個ではOEMメーカーが保有する在庫容器を使い、販売状況を確認してから容器を変更する方法が現実的です。特注色、印刷、金型製作を希望すると、必要数量と費用はさらに大きくなります。
余った容器の保管費用や、次回製造まで使用できるかも事前に確認してください。
販売価格から原価と仕様を逆算する
商品企画では、理想の処方を作ってから価格を決めるのではなく、想定販売価格から使える原価を逆算します。販売手数料、広告費、物流費、保管費、利益を差し引き、製造に使える金額を計算してください。
高価な原料、高級容器、化粧箱をすべて採用すると、予定していた販売価格では利益が残らないことがあります。一方、原価を下げることだけを優先すると、ブランドの価値や使用感が損なわれます。
ベンチマーク商品の販売価格と仕様を確認し、自社の販売方法に合う設計へ調整します。
100個・500個・1,000個で変わる選択肢
一般に製造数量が増えると、1個当たりの充填費や作業費を抑えやすくなります。ただし、単価は処方、容量、容器、包装、検査内容によって変わるため、数量だけでは決まりません。
100個では既存処方や在庫容器が中心となり、500個では選択肢が広がる場合があります。1,000個以上になると、容器の印刷や一部仕様変更を検討しやすくなりますが、工場や資材会社によって条件は異なります。
複数の数量で見積もりを取り、在庫リスクと単価のバランスを比較してください。


ベンチマーク商品を使う際の注意点
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 参考商品とまったく同じ処方にはできない
- 成分名だけでは配合量や製造方法は分からない
- 差別化する部分と残す部分を決める
- 薬機法・商標・デザイン模倣に配慮する
ベンチマークは開発の方向を共有する資料であり、同一商品を作るための設計図ではありません。成分、表示、広告、商標、容器デザインなどを確認し、独自の商品として設計します。
参考商品とまったく同じ処方にはできない
市販品から正確な処方を読み取ることはできません。同じ成分名を使用しても、配合量、原料メーカー、製造条件によって粘度や香り、肌に伸ばしたときの感触が変わります。
また、他社が独自に開発した原料や製法を使用している場合、同じ条件で作れないことがあります。OEMメーカーには「完全に同じもの」ではなく、「どの特徴を参考にしたいか」を伝えてください。
ベンチマークとの差を確認しながら、自社のターゲット、価格、ブランドコンセプトに合う処方へ調整することが重要です。
成分名だけでは配合量や製造方法は分からない
化粧品の全成分表示は、原則として配合量の多い順に記載されますが、一定量以下の成分などには表示順の例外があります。そのため、表示を見ただけで正確な配合比率を判断することはできません。
さらに、同じ成分でも原料の濃度や溶媒、品質規格が異なる場合があります。製造時の温度、混合する順番、攪拌条件も仕上がりに影響します。
全成分表示は有力な参考資料ですが、使用感の評価や開発目的と組み合わせて利用する必要があります。
差別化する部分と残す部分を決める
ベンチマークの特徴をすべて変更すると、参考商品を選んだ意味が薄くなります。一方、すべてを近づけると、自社商品を選ぶ理由が伝わりにくくなります。
まず、顧客が評価すると考える特徴を残します。そのうえで、訴求成分、香り、使用方法、容量、容器、販売ストーリーなどから差別化する部分を決めてください。
「誰に、どのような場面で、どの価値を提供する商品か」を明確にすると、必要な独自性を判断しやすくなります。
薬機法・商標・デザイン模倣に配慮する
他社商品の商品名、ロゴ、容器形状、パッケージを安易に模倣すると、商標や意匠などの問題が生じるおそれがあります。ベンチマークは内部の開発基準として使い、消費者が他社商品と誤認するような設計は避けてください。
広告表現についても、他社サイトに記載されている効果表現をそのまま使用できるとは限りません。化粧品の効能効果の範囲を確認し、虚偽・誇大な表現を避ける必要があります。厚生労働省も化粧品を含む医薬品等について、虚偽または誇大な広告を禁止しています。


海外向け化粧品OEMでベンチマークを使うポイント
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 販売国によって使用できる成分や表示が異なる
- 海外製品を日本で製造する際の確認事項
- 輸出書類・現地規制・責任範囲を整理する
海外製品をベンチマークにする場合は、使用感だけでなく販売国の規制も確認します。日本で製造できることと、輸出先で販売できることは別の問題です。
販売国によって使用できる成分や表示が異なる
化粧品の成分規制や表示方法は、国や地域によって異なります。日本で使用できる原料でも、輸出先では配合制限や追加確認の対象となる場合があります。
EU向けでは、Cosmetics Regulationとその附属書を確認する必要があります。CosIngは成分情報を調べる際に役立ちますが、成分名が登録されているだけで使用が承認されていることを意味しません。法的な使用条件はEU化粧品規則と附属書で確認します。
販売国を後から変更すると処方や表示の修正が必要になるため、企画段階で対象国を決めることが大切です。
海外製品を日本で製造する際の確認事項
海外製品の成分表をベンチマークにする場合は、日本の表示名称との対応、国内で調達できる原料、製造設備への適合性を確認します。
海外で一般的な原料でも、日本国内での調達が難しい場合や、小ロットでは必要量を確保できない場合があります。また、海外製品と同じ容器を希望しても、輸入容器の最低ロット、輸送費、納期が製造計画に合わないことがあります。
使用感を優先するのか、成分構成や原産国イメージを優先するのかを整理し、代替原料や国内容器も含めて検討します。
輸出書類・現地規制・責任範囲を整理する
海外向けOEMでは、製造、輸出、現地での輸入・販売を分けて考えます。誰が成分規制を確認し、誰が表示を作成し、誰が現地登録や通関を担当するのかを明確にしてください。
EUでは、域内のResponsible Personの指定やCPNPへの製品通知などが必要です。 日本側のOEMメーカーがすべての海外手続きを担当するとは限りません。
見積もり前に必要書類、成分情報の提供範囲、試験の実施者、現地側の責任者、輸送条件を確認すると、商品完成後の手続き停滞を防ぎやすくなります。


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化粧品OEMのベンチマーク準備チェックリスト
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 問い合わせ前に決めておく項目
- OEMメーカーへ送る商品・写真・資料
- 試作品を受け取った後に確認する項目
- ベンチマークを活用して商品化を進める手順
化粧品OEMを円滑に進めるには、ベンチマークだけでなく、商品企画と事業条件をまとめておく必要があります。最後に、問い合わせから商品化までの確認事項を整理します。
問い合わせ前に決めておく項目
最初に、作りたい商品の種類、容量、ターゲット、使用方法、希望成分、避けたい成分を決めます。さらに、希望ロット、想定販売価格、販売チャネル、発売時期、販売国も整理してください。
すべてを確定できない場合は、「決定済み」「相談したい」「変更可能」に分けます。たとえば、訴求成分は決定済み、容器は相談、容量は30~50mLの範囲で変更可能という形です。
条件が整理されているほど、OEMメーカーは対応可否、必要な試験、概算費用を判断しやすくなります。
OEMメーカーへ送る商品・写真・資料
ベンチマークの実物、全成分表示、商品ページのURL、本体・容器・箱・ラベルの写真を準備します。海外製品の場合は、販売国、原産国、INCI成分名が分かる資料も添えてください。
次に、気に入っている点、変更したい点、優先順位を一覧にします。参考商品が複数ある場合は、それぞれ何を参考にするのかを記載します。
資料を送る前には、OEMメーカーが実物を受け取れるか、返却の有無、送付先、担当者名を確認しておくと安心です。
試作品を受け取った後に確認する項目
試作品を受け取ったら、外観、色、香り、粘度、伸び、なじみ方、使用後の感触を確認します。容器がある場合は、吐出量、液だれ、詰まり、開閉しやすさも評価してください。
評価はベンチマークと同じ条件で行い、感想を具体的に記録します。複数人の意見が分かれた場合は、商品のターゲットに近い評価者の意見と、共通して出た指摘を優先します。
修正依頼では、変更する項目と維持する項目を分けることが重要です。
ベンチマークを活用して商品化を進める手順
まずベンチマークを選び、参考にする項目と変更する項目を整理します。次に、希望ロット、価格、販売国などを要望書にまとめ、対応可能なOEMメーカーへ相談してください。
試作開始後は、同じ評価基準を使って修正を行います。処方が決まったら、容器適合性、安定性、品質、表示、量産条件、最終見積もりを確認して発注へ進みます。
ベンチマークを正しく活用すれば、単なる模倣ではなく、理想を具体化しながら独自性のある商品を設計できます。初めてのOEMでは、決まっていない部分も含めて早めに相談し、実現できる条件を一つずつ確認することが成功への近道です。
化粧品OEMの企画、ベンチマークの整理、容器やロットの選定に不安がある方は、商品化の条件をまとめたうえでご相談ください。実現可能な方法を一緒に検討できます。




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