化粧品OEMは、正直に言えば「作るだけ」ならそれほど難しくありません。既存処方や小ロット対応の工場も増え、個人でも形にできる時代です。しかし私は、その先の「応用」で最初につまずきました。本記事では、その経験から見えた落とし穴を整理します。
化粧品は「作るだけ」なら、本当に簡単にできる
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・化粧品OEMを使えば、ゼロから処方を考える必要はないこと
・小ロット対応が一般化し、個人でも商品化できる環境が整っていること
・相談から納品までの流れが、想像以上にシンプルであること
まず結論から言うと、化粧品は「作るだけ」であれば、現在はそれほど難しいものではありません。OEMという仕組みが確立されており、処方や製造工程の多くは工場側で対応可能です。そのため、専門的な化学知識がなくても、一定の条件を満たせば商品化できます。次に、小ロット対応工場の増加により、個人や小規模事業者でも現実的な初期投資で始められる環境が整いました。さらに、相談から試作、量産、納品までの流れも標準化されており、全体像を把握しやすい点も「簡単」と感じられる理由です。
OEMを使えば処方開発はゼロから不要
まず、化粧品OEMでは既存のベース処方を活用できるため、処方を一から考える必要はありません。これは、工場側が安全性や安定性を確認済みの処方を多数保有しているためです。
その結果、開発初期のハードルは大きく下がります。実際、処方設計をゼロから行う場合に比べ、時間とコストの両面で負担が軽減されます。そのため、初心者であっても「作ること」自体は現実的な選択肢になります。
小ロット対応工場が増え、個人でも形にできる
次に、小ロット対応が一般化した点も大きな要因です。以前は数千個単位が当たり前でしたが、現在では100個前後から対応する工場も珍しくありません。
これにより、在庫リスクを抑えながらテスト販売が可能になりました。結果として、法人だけでなく個人や副業レベルでも商品化に挑戦しやすくなっています。この環境変化が、「化粧品は簡単に作れる」と言われる背景の一つです。
相談から納品までの流れが明確になっている
さらに、OEMの進行フローが分かりやすく整理されている点も見逃せません。一般的には、ヒアリング、試作確認、条件確定、量産、納品という流れが明確に示されます。
そのため、「次に何をすればよいか分からない」という状態に陥りにくいのが特徴です。結果として、初めての人でも全体像を把握しやすく、心理的なハードルが下がります。

私が最初に勘違いしていた「応用すれば価値が上がる」という考え
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・成分を足すことが、そのまま価値向上につながると思い込んでいた点
・コンセプトを盛り込みすぎたことで、商品設計が不安定になった点
・「他と違うこと」を優先し、本質を見失っていた点
まず、この章で伝えたい結論は、応用=プラスすれば良くなる、という考え方自体が危険だったということです。OEMを使えば基本的な商品は問題なく完成します。そのため次の段階として、「何かを足して独自性を出したい」と考えるのは自然な流れでした。しかし結果として、その判断が失敗の入口になりました。
H3-1:成分を足せば良くなると思い込んでいた
まず、私は有効成分や話題成分を追加すれば、商品価値は自然に高まると考えていました。理由は単純で、成分が多いほど効果が高そうに見えるからです。
しかし実際には、成分は多ければ良いというものではありません。配合バランスが崩れれば、使用感や安定性に影響が出ます。結果として、処方の完成度を下げてしまうリスクがあることを、この時点では理解できていませんでした。
H3-2:コンセプトを盛り込みすぎてしまった
次に、商品の世界観やターゲット像を一度に詰め込みすぎた点も反省点です。あれも伝えたい、これも良さそうだと考えるうちに、コンセプトが広がりすぎました。その結果、誰のための商品なのかが曖昧になります。
コンセプトは明確であるほど強くなりますが、盛り込みすぎると逆に伝わりにくくなることを、この失敗から学びました。
H3-3:「他と違うもの」を作ることを優先してしまった
さらに、差別化を急ぐあまり、「他と違うこと」そのものを目的にしてしまった点も問題でした。競合商品との違いを意識するあまり、市場や使用者よりも、自分の理想を優先してしまったのです。
その結果、実際の使いやすさや継続性といった重要な要素が後回しになりました。この判断は、OEM初心者ほど陥りやすい落とし穴だと感じています。

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実際につまずいたのは、処方ではなく全体設計だった
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・処方と容器の組み合わせを十分に検討できていなかった点
・実際の使用シーンを前提に設計できていなかった点
・原価や利益構造を後回しにしたことで生じた影響
まず結論として、私が本当につまずいたのは処方の良し悪しではなく、商品全体をどう設計していたかという点でした。処方自体はOEM工場のベースを活用しており、大きな問題はありませんでした。
しかし、容器や使い方、価格との関係を含めた全体設計が不十分だったため、結果として商品としての完成度を下げてしまいました。
処方と容器の相性を深く考えていなかった
まず、処方と容器の相性について十分に検討できていませんでした。理由は、処方が良ければ容器は後から合わせればよいと考えていたからです。しかし実際には、テクスチャーや吐出量、使い切りやすさは容器によって大きく左右されます。
結果として、使用時のストレスが生まれ、商品の印象を下げてしまいました。処方単体ではなく、容器と一体で設計する必要性を痛感しました。
使用シーンとテクスチャーのズレ
次に、使用シーンを十分に想定できていなかった点も問題でした。朝使うのか、夜使うのか、持ち運ぶのかといった前提によって、適したテクスチャーは変わります。しかし当初は「良さそう」という感覚で判断していました。その結果、使用者の生活導線と合わない仕様になり、継続使用を妨げる要因となりました。
原価構造を後回しにしてしまった影響
さらに、応用に意識が向きすぎたことで、原価構造の検討を後回しにしていました。成分を追加すれば当然コストは上がりますが、その影響を価格設定や利益率にどう反映させるかを十分に考えていなかったのです。その結果、販売後に調整が難しくなりました。
応用は経営判断と直結する要素であることを、この失敗から学びました。

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応用で失敗しやすいポイントは、経験が浅いほど見えにくい
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・判断基準が感覚的になりやすい点
・比較対象が少なく、正解が見えにくい点
・工場任せと自己判断の境界が曖昧になりやすい点
まず結論として、応用段階での失敗は、知識不足よりも経験の少なさからくる判断のズレによって起こりやすいと感じています。OEMの基本的な流れが分かってくると、自分で決められる範囲が増えます。しかし、その自由度が逆に判断ミスを招くことがあります。
判断基準が「良さそう」で止まってしまう
まず、経験が浅い段階では、判断基準が「良さそう」「問題なさそう」といった感覚に寄りがちです。理由は、明確な比較軸や過去データを持っていないためです。その結果、客観的な根拠よりも印象で決定してしまいます。判断自体が間違いとは限りませんが、再現性がなく、後から修正しにくい点がリスクになります。
比較対象が少なく、正解が分からない
次に、比較対象の少なさも大きな要因です。初めてのOEMでは、他の商品や過去事例と比べる材料が限られています。そのため、「これが正解かどうか」を判断する基準が持てません。結果として、工場からの提案をそのまま受け入れるか、逆に自己判断に偏るかのどちらかになりやすくなります。
工場任せと自己判断の境界が曖昧になる
さらに、工場に任せる範囲と自分で決める範囲の線引きが曖昧になる点も注意が必要です。OEMは専門的な部分を任せられる仕組みですが、すべてを委ねると意図が反映されません。一方で、細かく介入しすぎると全体のバランスを崩します。この境界を見極めることが、応用段階では特に重要になります。

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今なら最初にこう判断する、という私なりの結論
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・応用は一つに絞るという判断基準
・既存処方を完成形として捉える考え方
・日本国内ユーザー基準で設計する重要性
まず結論から述べると、今なら私は「最初から応用を広げない」という判断をします。化粧品OEMでは、基本となる処方や製造体制はすでに整っています。
そのため、最初の段階で無理に独自性を加えようとすると、かえって全体のバランスを崩す可能性が高くなります。失敗を経験した今だからこそ、判断基準をシンプルに保つことの重要性を強く感じています。
応用は一つに絞る
まず、応用は一つに絞るべきだと考えています。理由は、複数の要素を同時に変えると、問題が起きた際の原因特定が難しくなるからです。例えば、成分と容器、コンセプトを同時に変えれば、どこに課題があったのか分かりません。
その結果、修正にも時間がかかります。応用を一つに限定することで、判断と改善の精度が高まります。
既存処方を完成形として捉える
次に、既存処方を「未完成なもの」ではなく、完成形として捉える視点が重要です。OEM工場が用意している処方は、安全性や安定性を前提に設計されています。そのため、無理に手を加えなくても、十分に商品として成立します。
まずはその完成度を信頼し、必要最小限の調整にとどめる方が、結果的に安定した商品につながります。
日本国内ユーザー基準で設計する
さらに、設計基準は日本国内ユーザーに合わせるべきだと考えています。理由は、肌質や使用習慣、品質への期待値が日本市場特有だからです。海外基準やトレンドをそのまま取り入れると、使用感や価格の面でズレが生じることがあります。
最初は国内ユーザーにとっての使いやすさを最優先に考える方が、失敗のリスクを抑えられます。

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それでも化粧品OEMは「簡単でいい」と思っている理由
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
・化粧品OEMの仕組み自体が、非常によく整っていること
・難しくしない方が、結果的に成功確率が上がること
・失敗を経ても、再現性を持って立て直せること
まず結論として、私は今でも化粧品OEMは「簡単でいい」と考えています。これまで失敗を経験しましたが、その原因は仕組みの未熟さではありませんでした。むしろ、仕組みが整っているからこそ、判断を複雑にしすぎた点に問題がありました。基本に立ち返れば、OEMは十分に合理的な手法です。
仕組みとしては非常によく整っている
まず、化粧品OEMは長年の実績をもとに標準化が進んでいます。処方、安全性確認、製造工程、品質管理まで、一連の流れが確立されています。そのため、正しい前提で活用すれば、大きな失敗は起こりにくい仕組みです。
個人や小規模事業者でも一定水準の商品を作れる点は、他の製造業と比べても大きな強みだと感じています。
難しくしない方が成功確率は上がる
次に、設計を難しくしないこと自体が成功要因になると考えています。要素を増やせば増やすほど、管理や判断は複雑になります。一方で、基本に忠実な商品は、改善点も見えやすく、修正も容易です。結果として、継続的な改良につなげやすくなります。最初から完成度を追い求めない方が、長期的には安定します。
失敗から学べば再現性が高い
さらに、化粧品OEMは一度失敗しても、学びを次に活かしやすい点が特徴です。判断のどこに問題があったのかを整理すれば、次回は同じ失敗を避けられます。これは、工程や条件がある程度固定されているからこそ可能です。経験を積むほど、判断の再現性が高まる点も、OEMの大きな利点だと考えています。

https://example.com/cosmetic-oem-simple
まとめ
化粧品OEMは、作るだけであれば現在は十分に整った仕組みで進められる
最初の失敗は、処方ではなく「応用の判断」と「全体設計」に起因することが多い
成分追加や差別化は、必ずしも価値向上につながるとは限らない
応用は一つに絞り、既存処方を完成形として扱う方が安定しやすい
日本国内ユーザー基準で設計することが、失敗リスクを下げる近道になる
総括
化粧品は、OEMを活用すれば確かに簡単に作れます。
しかし、その「簡単さ」の先にある応用段階では、判断の精度が結果を大きく左右します。
私自身の失敗は、仕組みを疑ったことではなく、仕組みを過信し、考えすぎてしまった点にありました。
だからこそ今は、難しくしないことこそが、最も現実的な選択だと考えています。
行動のヒント(次に取るべき一歩)
もしこれから化粧品OEMを検討しているのであれば、
まずは「作れるかどうか」よりも、どこまで応用するかを決めることをおすすめします。
判断をシンプルに保つことで、商品づくりは驚くほど安定します。
- 厚生労働省|化粧品の制度・定義
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066468.html - PMDA(医薬品医療機器総合機構)
https://www.pmda.go.jp/ - 日本化粧品工業会(JCIA)
https://www.jcia.org/ - 日本香粧品学会
https://www.jcss.jp/ - 消費者庁|表示・広告関連
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/

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